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加治将一 かじ・まさかず 作家
「かじまさ」の愛称をもつ札幌生まれのナイスガイ。9月11日生まれ。1995年に作家デビュー。それ以降、世を騒がせる問題作を次々に
発表。『買ってはいけない住宅』『借りたカネは返すな!』『あやつられた龍馬』『幕末 維新の暗号』『舞い降りた天皇』など多数。
「ここから見る風景は本当に美しいね。それに、はじめてここに来たとき、良い波動だなあと思ったんですよ」
加治将一さんはアルトリ岬に立ち、そこから一望できる海岸の風景を見下ろしてそう言いました。9月のことです。加治さんがはじめて伊達にやって来たのは昨年の初夏。伊達が移住地として理想的な処であるという情報を得て興味を持ち、小説の舞台にどうかと考え、下見に来たのだと言います。
伊達の色々な場所を見て歩き、そしてアルトリ岬に立ったとき、加治さんの中で何かがはっきりと動き出したのかもしれません。
「この場所の持つ波動と、僕自身の波動が近いからか、とても心地がいいんです」
居るだけで癒される、加治さんにとってアルトリ岬はそんな場所だといいます。
今年9月に発売になったばかりの小説「アルトリ岬」は、伊達市に移住してきたある家族の物語。たくさんの問題を抱える家族は、驚異の
カウンセリングとこの土地の力で立ち直ってゆきます。
岬を下り、アルトリの浜に降りた加治さんは靴を脱いで砂の上を歩きました。
「地元の人は、ここがどんなにいい処かってことを忘れてしまっているかもしれないね。風景はきれいだし食べ物も美味しいし、別天地だ
よね」
そして、おどろいたことに、と言葉を継いで、付け足すようにこう言いました。「自分でも忘れていたんだけど、このアルトリ岬に来たのは今回がはじめてではなかったんだよ」
中学生の頃、家族と一緒に一度来たことがあった。そのことを自分自身も「つい最近まで覚えていなかった」のだと。その頃の記憶が体のどこかに残っていたのかもしれない、だからこんなにも心地良さを感じるのかもしれない、と、夕刻の海に浸した自分の足を感慨深げに眺める加治さんでした。

